バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に作られることにより症状を起こす甲状腺機能亢進症の代表的な病気です。ほかの甲状腺の病気と同じように女性に多い病気ですが、その比率は男性1人に対して女性4人ほどです。甲状腺の病気全体の男女比は、男性1対女性9の割合ですので、甲状腺の病気のなかでは、比較的男性の比率が高い病気なのです。発病年齢は、20歳代、30歳代が全体の過半数を占め、次いで40歳代、50歳代となっており、青年から壮年に多い病気です。
バセドウ病という病名は、1840年にこの病気を研究発表したドイツの医師カール・フォン・バセドウにちなんで名づけられました。
バセドウ病は、甲状腺が過剰に甲状腺ホルモンを作る病気です。その異常には免疫が関係しています。本来免疫とは侵入した外敵を攻撃し、健康を維持するための大切な仕組みです。しかし、自分自身の体を攻撃目標とする抗体を作ってしまう病気があります。これを「自己免疫疾患」といい、バセドウ病もこの一種なのです。
バセドウ病の場合は、自分の甲状腺に対する抗体(自己抗体)が原因で、甲状腺刺激ホルモンの代わりに甲状腺を刺激し、どんどん甲状腺ホルモンを作らせてしまいます。なぜ自分の体を攻撃する抗体が作られてしまうのかはわかっていません。誘因として妊娠、出産、感染、精神的ストレスなどが関与していると考えられていますが、家族内発症も多く遺伝的素因の関与が考えられています。
バセドウ病を根本的に治療するのは、難しいこともあります。しかし、バセドウ病特有の症状を起こしているのは、血液中の過剰な甲状腺ホルモンです。したがって、きちんとした治療を受け、血液中の甲状腺ホルモンの量を正常にコントロールしていれば、健康な人とまったく変わらない生活ができます。
バセドウ病は、甲状腺が過剰に甲状腺ホルモンを作る病気です。その異常には免疫が関係しています。本来免疫とは侵入した外敵を攻撃し、健康を維持するための大切な仕組みです。しかし、自分自身の体を攻撃目標とする抗体を作ってしまう病気があります。これを「自己免疫疾患」といい、バセドウ病もこの一種なのです。
バセドウ病の場合は、自分の甲状腺に対する抗体(自己抗体)が原因で、甲状腺刺激ホルモンの代わりに甲状腺を刺激し、どんどん甲状腺ホルモンを作らせてしまいます。なぜ自分の体を攻撃する抗体が作られてしまうのかはわかっていません。誘因として妊娠、出産、感染、精神的ストレスなどが関与していると考えられていますが、家族内発症も多く遺伝的素因の関与が考えられています。
バセドウ病を根本的に治療するのは、難しいこともあります。しかし、バセドウ病特有の症状を起こしているのは、血液中の過剰な甲状腺ホルモンです。したがって、きちんとした治療を受け、血液中の甲状腺ホルモンの量を正常にコントロールしていれば、健康な人とまったく変わらない生活ができます。
甲状腺腫(甲状腺の腫れ)には、甲状腺全体がそのままの形ではれる「びまん性甲状腺腫」と、部分的にしこりができる「結節性甲状腺腫」があります。
バセドウ病の場合は、「びまん性甲状腺腫」の方になります。
よく、バセドウ病は眼の出る病気といわれますが、眼球突出は実際には多い症状ではありません。眼球が突出しなくても、上のまぶたがはれたり(眼瞼腫張)、まぶたが上の方に引っ張られるため目が大きくなったように見える(眼瞼後退)こともあります。バセドウ病による目の異常をバセドウ眼症といいます。
バセドウ病に伴う症状のなかで日常生活に一番大きな影響を与えるのは、甲状腺ホルモンの過剰によって起こる症状です。甲状腺ホルモンの過剰甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を活発にするホルモンです。したがって、甲状腺ホルモン過剰の状態にあるバセドウ病の患者様は、一見元気そうに見えますが、新陳代謝が異常に活発であるということは、無駄なエネルギーの浪費を意味しています。とにかく疲れやすい、いつもゴロゴロしている、というのもこの病気の人に多い症状です。
主な症状は、動悸、 頻脈(ひんみゃく)、体重減少、発汗過多、手指などのふるえ、微熱、イライラなどの神経過敏、食欲亢進(こうしん)、下痢、過少月経、 倦怠感、筋力低下などです。なかでも、代表的な症状が動悸です。息切れとともに多い症状であり、患者様のなかには、寝ていても動悸が気になって眠れないという方もいます。これは、バセドウ病では代謝が亢進するために、普通の人より たくさんの酸素が必要になるためです。バセドウ病の患者様は、じっとしていても、走っているのと同じような状態にあるため、いつでも心臓が余分に働かなくてはいけません。それが、動悸という自覚症状になるのです。普通安静にした状態では、脈拍は1分間に60~80程度ですが、バセドウ病の患者様の場合は100を超えることもあります。ただし、高齢になると脈拍が増えないこともあります。
ほかに多い症状は、手足や体のふるえです。また、いつも運動をしているのと同じような状態になるため、暑がりになり、汗をたくさんかくようになります。さらにエネルギーの消費が激しいため、食欲はあるのに太らない、あるいはやせるということになります。とくに男性や年齢が高い人のなかで目立つ症状であり、ひどい場合は1~2ヶ月で10kgもやせることがあります。これ以外にも、下痢をしがちになる、皮膚がかゆくなる、筋肉が衰えるなど、さまざまな症状があります。
1日のリズムも微妙に狂ってきてしまうため、寝起きが悪く午前中はずっと調子が悪いという人も少なくありません。またこのほかに、精神的にも不安定になり、イライラしたり、集中力がない、落ち着きがないといった症状が現れます。そのため仕事の能率が落ちたり、子どもの場合は学校の成績が急激に低下することもあります。そうしたことを減らすためにも、きちんとした治療を受ける必要があります。このように、バセドウ病は多彩な症状を伴いますが、その現れ方は個人差があり、あまり自覚症状もなく健康な人と同じようにすごしている方もいれば、衰弱して寝込むほど症状が激しい方もいます。しかし自覚症状に乏しい方でも、治療しなければいずれ体に甲状腺の機能亢進の影響が出てきます。症状が軽いうちに治療すれば、自分自身の生活の質を落とさずにすむのです。
血中甲状腺ホルモンを測定します。血中甲状腺ホルモン(血中遊離 T4、T3 など)は高値となり甲 状腺刺激ホルモン((TSH)頭蓋底部にある下垂体という 内分泌腺から分泌され、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンの分泌を促進するホルモン)は低値になります。その他の検査では、TSH受容体抗体陽性(TRAb、TSAb)、甲状腺 自己抗体(抗サイログロブリン抗体〈TgAb〉、抗マイクロゾーム抗体〈TPOAb〉)陽性、血中コレステロール低値、GOT、GPT、ALPなどの肝機能の軽度高値(このコレステロール低値や肝機能異常は甲状腺機能の改善とともに正常化する)などがあります。
TSH 受容体に対する刺激性抗体(TRAb)が甲状腺を刺激して甲状腺機能が亢進すると考えられており、バセドウ病の90%以上の症例で陽性になるといわれています。TRAbが陰性の場合は無痛性甲状腺炎との鑑別が必要となります。
甲状腺の超音波検査では腫大した血流の豊富な甲状腺が認められます。
多くの方は血液検査で診断がつきますが、血液検査だけでは診断がつかない方もいます。その場合は、アイソトープ(放射線ヨウ素)検査を実施します。これは、ヨウ素が甲状腺に集まりやすい性質を利用したもので、バセドウ病であれば、甲状腺ホルモンを大量に作るために、甲状腺に非常に多くの放射性ヨウ素が集まります。検査方法としては、患者様にヨウ素のアイソトープ(放射性ヨウ素)を服用してもらい、アイソトープが甲状腺全体にたくさん集まれば、バセドウ病と診断します。
甲状腺ホルモンが過剰に作られないようにする治療を行います。内服薬治療(抗甲状腺薬、場合によりヨウ素剤)、放射性ヨウ素治療(アイソトープ)、手術の3つの方法があります。
どの方法を選ぶかは、その人の病状、年齢、社会的状況などによって変わってきます。
甲状腺ホルモンの合成を抑える薬(抗甲状腺薬)を、規則的に服用する方法です。それぞれの患者様の状態に応じて、適切な量の薬を飲んでいれば、1~3カ月で、血液中の甲状腺ホルモンの濃度が正常になります。そうなれば自覚症状もとれ、普通の人とまったく変わらない生活ができるようになります。
薬の治療で大事なことは、定期的に甲状腺ホルモンの量を測定しながら、適切な量の薬を服用することです。バセドウ病の病勢が軽い患者様の場合は、抗甲状腺薬の必要量が減少していきます。
放射性ヨウ素を服用して、甲状腺に集まった放射性ヨウ素の働きで甲状腺の細胞の数を減らす方法です。甲状腺細胞の数が減少すれば、分泌される甲状腺ホルモンの量も少なくなります。放射性ヨウ素カプセルの服用後、およそ2~6カ月で甲状腺ホルモンの分泌は減少してきます。手術のように傷が残らず首の腫れが縮小し、薬より早く治るのがこの方法のよいところです。
ただし欠点は、同じように治療しても細胞が減りすぎて、逆に甲状腺の機能低下を起こす場合が あるということです。しかし甲状腺の機能低下は、甲状腺ホルモン薬を服用していれば簡単にコントロールできます。甲状腺ホルモン薬自体には副作用はありませんし、甲状腺機能亢進症で苦しむよりはずっと楽であり、安心です。
過剰にホルモンを分泌している甲状腺を外科的に切除する方法です。
ホルモンの分泌元である甲状腺を切除することにより、ホルモンの過剰産生を是正するために行います。
治療によって甲状腺ホルモンの濃度が正常になったら、普通の人とまったく変わらない生活でかまいません。バセドウ病の人は臆病になる傾向がありますが、何でも自由に楽しんでください。食事も何を食べても結構です。また、ヨウ素のとり方を心配する人もありますが、普通に食べてかまいません。ただし、定期的な診察は必ず受けてください。薬物療法は再発することがありますし、手術でも甲状腺が残されている場合は再発の心配、または何年か後に次第に甲状腺機能が低下する心配があります。放射性ヨウ素治療(アイソトープ)でいったんホルモンが落ち着いた場合は、再発はまれですが、機能低下を起こすことはありえます。こうした状態を早く発見し、適切な治療を受けるために、甲状腺機能が正常になった人でも年に1度か2度は通院してください。
また、甲状腺の機能亢進状態が続いている間は、活動制限の程度は病状にもよりますが、心臓にも負担がかかるため、充分な休養と栄養が大切です。また、暑い時期は涼しい環境にいることも必要です。
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